下流老人
NHKのドキュメンタリーで、自分の老後設計に描かなかった部分で下流老人に堕ちこんでいく団塊世代の例を2つ紹介していました。
独身男性の例では、親一人のお母さんは遠方の介護施設で暮らし、その費用は親自身の年金をあてています。
男性自身の年金は月当たり14万円。月に1回はお母さんが楽しみにしている面回を続けていますが、埼玉の公団から親のいる神奈川の施設の往復に約5000円かかるそうです。親の好きなオロナミンCと梅干しの差し入れに約480円でした。今は病院の運転手の仕事をしているが、後2年しかできないので、それからはあまり行けない。切ない。
もう一つの例は、夫婦二人の家庭で、旦那さんは葬儀の仕出しの仕事に毎日出勤して15万円と年金を合わせて37万円の収入ですが、住宅ローンの残に月10万円弱の返済と親のディサービスに3万5千円がかかるので、でぎりぎりの生活でした。その上に、奥さんを亡くされたた息子が二人の子供を連れて転がり込んできましたが、息子に仕事はなく、月々20万円赤字、頼みの預金は後2年で切れて破産する計算。
これも切ない。
気の毒と思いますし、将来何が起こるかはわかりませんが、何か打つ手はなかったのかと考えてしまいます。最初の方は、バブル崩壊後は非正規社員として転々と職を変えなければならなかった。そのため厚生年金の納付も途切れており、退職金もほとんど得られなかった様子です。
2番目の方は、立派なお宅に設け、65歳以降も働いてローンを返そうという計画でしたが、息子さん家族3人んが加わることで大赤字になってしまった。
68歳で月10万円のローンが残る計画設計は如何なものだったのだろうと考えます。
その大きな家のおかげで、息子さん家族は雨露に打たれることはありませんでしたが、高齢者夫婦のこれからの生活、この状態で孫たちに高いレベルの教育を受けさせることが出来るかと考えさせられました。
いままで、50代は老後資金の貯め時と言われていましたが、最近は年功序列の廃止、役職定年、職種・職能別賃金などで、給料は先輩達から聞いていたように上がらないケースが多いようです。
そして、50代には、子供の学資の負担が大きく、家のローンでボーナス返済している場合、お金のやりくりがつかないケースも多いのではないでしょうか。
とても老後資金の捻出どころでは無い、お宅も少なくないと思います。
なんとか、やりくりして60代に突入され、一次退職金で住宅・学資ローン返済出来ればラッキーなお宅だと思います。
50代になんとか行けると思った資金スケジュールが、子供の結婚や予期しない同居や親の介護、病気の加療で仕事する時間もままならないケースもあります。
早めに、ほどほどの生活を基盤とする慎重な老後設計が必要です。所詮サラリーマンですから、隣の芝は気になりますが隣の芝は青くとも、我家は我家です。
2017年3月11日